詩/春の詩

2019/03/13 15:53
僕は親指を止めない。
毎日髪の毛のツヤなんか気にして、それでも例えばきみの命のためだったらこの髪全部ためらわずに差し出すけれど、命の引き換えになりえると思っているくらいには大事なんだと思う。爪よりも、歯よりも、指よりも?
去年桜をほんとうに綺麗だと思ってしまったから、今年の桜はその振り返りでしかなくなるだろうな、去年のことを覚えている限り、すべては振り返りでしかなくなるのだけど、そんなことすら忘れてしまうくらい、圧倒的で刺激的な出来事を求めている、振り返りの起点が今日になるような、今年になるような。だからわたしは今日を春のはじまりだと決めた。

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神崎琴音