2020/04/17 02:08
イヴ・サンローランのリップはいい匂いがする。
マンゴーみたいな。
噂には聞いていたけど、もらって手に取って初めて、本当なんだ、と知った。
以前アルバイトしていた(百貨店内の一店舗であった)洋菓子店が撤退・閉店してしまうことになったとき、店長がアルバイトのみんなに、お別れにとそれぞれのイメージに合ったデパコスブランドのリップを選んでプレゼントしてくれた。
みんなのマスコットであり兄であり父親のような店長で、アルバイトみんなから慕われていたし、最終日には何人もの他店の従業員さんが店長にお別れの挨拶に来て、店長の周りはプレゼントだらけになっていた。
店長はわたしには、イヴ・サンローランの金色のリップをくれた。
「琴音ちゃんには、この金色のビジュアルがパッと浮かんだんだよね!」
わたしはデパートコスメにはとても憧れていたものの一度も手を出したことがなく、しかもけっこう一番手に取ってみたかったイヴ・サンローランで、本当にすごく、キャー!って感じで嬉しかった。わたしのイメージがイヴ・サンローランだったことも。
BAさんから聞いたのだと思うけど、わたしに選んでくれた色は「本命を射止めるローズピンク」だと店長は教えてくれた。
わたしと同じく舞台女優を頑張っていた先輩には、シャネルの赤リップ。「ステージの上でくらいはシャネルつけなさいな」っていう素敵メッセージで。
その他、
女子大生の子には、鉄板人気のディオールのマキシマイザー。
主婦のパートさんには、SUQQUの色無し保湿リップ。
ちょっとみんなよりお姉さんのクール系のバイトさんには、トムフォードの四角いパッケージの、落ち着いた色の赤。
わたしの後輩のこれまた舞台女優の女の子には、ジバンシィの体温で色が変わるルージュパーフェクト。
(これはわたしも店長のブランド選びトークに参加して、やっぱりあの子はジバンシィだよねと意見が合致した。その人に合うブランドを選ぶのはけっこう楽しいという気づきがあった。)
素敵な店長だったなあ。
いまでもだいすきな店長です。
神崎琴音
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