2020/05/17 21:31
もう10年以上前の話になってしまう。
わたしたちの高校は制服がなく(なんちゃって制服も存在せず)、完全に毎日私服だった。
ある日新しく気に入ったデザインのスニーカーを買えたんだ、と当時の恋人に見せたときに言われたことを今でも覚えている。もう言葉尻やらは忘れてしまったが、「君のファッションのセンスはつくづく筋が通っているから今後もきっと君は大丈夫だろう」というようなことを彼は言った。
そのスニーカーはおそらくわたしが初めて親同伴でなくひとりで買いに行ったスニーカーで、「かわいいのがいいけど人と一味違うセレクトをしたい」という高校生なりの自我をもって色々と見回ってやっと満足して選んだものだったから、それを彼にわかってもらえたこと、ひいては今まで選んで着ていた服のセンスも一貫したものがあると言ってもらえたことがとても嬉しかった。
「今後もきみは大丈夫だ」という言葉、たぶん彼が思った以上にわたしのファッション観の支えになってくれていて、これからもわたしのセンスを信じて好きなものを選ぼう、と思えている。
それは一人暮らしをするようになった今、服に限らず持ち物全般に及び、できるだけ好きなものに囲まれて暮らすようにしている今の自分も好きでいられている。
神崎琴音
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