詩をプレゼントした(1) #ミスiD2022

ツイッターで、#いいねしてくれた人がもし詩だったとしたときの最初の一文を考える というのをやってみた。そしたら思っていた以上にたくさんの人の目にとまり、詩の千本ノック状態になったのだが、これが良い目の回り方という感じで心地よかった。今まで書きたいことはある気がしてもなかなか取っ掛かりがなかったのが、テーマさえあれば書けるということがわかった。詩にしてほしい人がたくさんいるということもわかった。

なかなかいいものが書けた気がしたので、みなさんへの感謝とともに、ここにまとめます。たくさんあるので第一弾。


クリームソーダが好きだとよろこぶきみの微笑みが、きみの好きなひとに届くといいね、と思うわたしのすきなひとは、きみ。 

結彩さん@yua_tsubaki


オレンジジュースの残り香にきみを思い出すから、今日も生きることができる、夏が今日から始まったから、わたしは外に出ることができる。 

石川まぜさん@isikawamage


ベランダにとまった蝶々に手を伸ばしたらひらひらとすり抜けてひかりの中に消えていった、それを夢のように美しいと思ったから、ぼくはぼくを愛することをきめた。 

ゆばさん@yubayuba_02


夜に見る刃物の美しさと、わたしの耽美だという感情が似ていることを、まだだれも知らない。 

神田セトさん@namakomuere


サッカーボールが飛んでいっても大人のふりして追いかけなかったけど、ほんとうはさみしかった。 森野みもりさん

@_Butstillfunny

ちいさいころにきめた眠る前のおまじない、わたしの夢があふれて、街が洪水にならないように、小さな秘密の鍵をかける。

汐音さん

@shinonkusu

朝の透きとおったひかりを作ったのがかみさまなら、ぼくはかみさまになれるでしょう、世界のまだ見つけられていないきらめきに100の名前をつけてみせるから。 伊藤靖浩さん

@rickytickyasu

わたしを生かすために死ぬ花があるなら、命でも差し出したい、けれども本当は、お花のなきがらと一緒に歳をとって100年後、棺桶の中で言うの、だいすきよって。 桜田実和さん

@mi03wa

女の子が欲張りだなんてあたりまえでしょう、愛も星のきらめきもきれいなお洋服もぜんぶほしいのに。 ケイリーペルセポネさん

@KayPersephone

弛緩した昼下がりの時間がいつまでもいつまでも引き延ばされたハンモックでまどろむぼくの、手を誰かが引いて、どこかへ連れて行ってくれる、そんな夢を見る。 つばき柊さん

@zubaki_hielagi

ありきたりな服も靴も身につけたくなくて、世界がまっくらになればいいのにと、願っているぼくは、きみよりも傲慢だろうか。 はるねさん

@iniiiyo

吸った息が肺の中でぬるくなる、朝よりも夜が好きだった、こんなにもドラマチックな自分を、闇に溶けさせて、からだが、みえなくなって、いきをひそめることができるみたいに思えたから。 Kana Jeongさん

@kanaandinternet

できるなら、こどもだったわたしの、白くて小さくて綺麗な手を引いたまま、ずうっとずうっと歩き続けて、ここまで連れてきたかったのに、ふと手を見たら誰とも手をつないでなんていなくて、わたしは泣きそうになってしまった。

 Isaみさん@isa_is_a_whale


背表紙に「孤独」とだけ書いた文庫本を古本屋で手に取ってしまったような、埃くさいような夕方は、無性にコーヒーが飲みたくなる。 

高野憲太朗さん@taro_2012


いじわるな人が罰される世界だったなら、ぼくは生まれていなかったでしょう、きみの瞳の中の黒い影がのびて、ぼくを覆い尽くすまで、ずっと愛しているよと囁き続けたい。 

雑地区好餌さん@k_zochiku


フルーツパフェの可愛さよりも、ビー玉の透きとおったひかりが好きだった、晴れの日だって雨の日だって、傘なんてさしてあげないよ、ここにいるわたしの、とうめいなたましいを呼吸させるため。 

のこさん@nofu___OoO


あなたが最初にしゃべった言葉は、お花の名前だったって、ちいさいころに教えられた、それをずっと信じている。 

ももさん@mom0s1ime


もうあそばない、って言ったきり、会えなくなってしまったあの子は、わたしのまぼろしだったんだと、鮮烈に思い出した真夏のひかり、ひかりの中のわたしは不思議とさみしくなかった。 

すなねこさん@wassyoisunaneko


ありきたりなハッピーエンドのおとぎ話なんてぜんぶ焼き捨ててしまえばいい、その灰にまぎれている甘いお菓子なんかしんでもいらないと思っていた、いつまでもまどろみ続けるわたしの目玉。 

すみれ。さん@sumire_maru


赤い長靴がほしいって駄々をこねる、女の子がかわいいのはわがままを言えるからでしょう。 

ましろさん@_mashiro000


見たことのない景色より、きみの目線の先が気になって、古臭い喫茶店の隅っこで、きみが飲んでいたミルクティーの香りが甘かった。 

遊さん@01m24_


戦隊ヒロインみたいなつよい女の子になりたい、だって彼女たちは敵を倒すこと以外に悩みなんてないんでしょう。 

紫亜さん@sia_salt


理科室のつめたいにおいが好きだった、しあわせだって思うとき、思うってことはしあわせですって確認したいってことだって、頭の中で声が聞こえる。 

平野彰子さん@akiko324hirano


きみがわたしに優しいのは、わたしを生きていないと思っているからで、わたしはそんなきみを、スケッチして色を塗って、キャンバスの中に閉じ込めてしまいたかった。 

近藤まことさん@comma7113


こほんと咳をした、瞬間にわたしの切れ端が世界から弾け飛んだきがした、たばこの火のついた先のように、真っ赤に光って灰になりたかった。

彩花:TeaPlantさん@TeaPlant329


フレッシュジュースの鮮やかな色を褒めるくらいなら、わたしを愛してほしい、そう口に出かかった言葉を投げ捨てて、駆け下りる階段は急だった。 

灰色兎さん@_tripUsagi_


水の音が、風の音がわたしにあたって痛い、せめてきみに好きだよと囁いて、それから死にたかった、そうするべきだなんて、学校では教えてもらえなかった。 

ももぴさん@momopi_desita


色とりどりのキャンディみたいにきれいなままでしぬまでひかっていられたらいいのに、そしてきみの見えないところで、ひっそりと溶けていくの。 

uuuuu1153さん@uuuuu1153


高嶺の花だなんて言って、ほんとうはこっちを見ていない、きみのきれいな声が好きです、まるで明日消えてしまうみたいにこの世に爪痕を残すから。 

亜空さなさん@akuusana


まるで何も知らないような顔をしたシロツメクサになりたかった、遊んで光ってスキップをした、白昼夢みたいな現実の、鋭い鮮やかさがわたしを貫いている。 

そいさん@soy12kei7


ロックスターに憧れたなんてばかみたいだった、赤いルージュがすり減るたびに、わたしの手からこぼれ落ちるあたたかさ、同調圧力、むっとするほど香る薔薇の香水。 

エナさん@to_may_


閃光のような恋をして、裸足ではしってみたかった、いつまでも響き続けるきみの声の、ざらついた触感を消し去るくらい、甘いケーキをわたしにください。 

南林はるのさん@ewce9


閃光のような恋をして、裸足ではしってみたかった、いつまでも響き続けるきみの声の、ざらついた触感を消し去るくらい、甘いケーキをわたしにください。 

南林はるのさん@ewce9


きれいに包装された焼菓子のような音楽が聞こえる、音は、わたしの声は、いつになったらわたしのもとを離れるの。 

灯織さん@akari_lamp


メリーゴーラウンドの円の中だけは地獄から守られている、そうきみが言って、赤やオレンジやピンク、不本意に点滅するその灯りが、きたないものに見えて悲しかった。 

minami.さん@minami_019


スニーカーの底がすり減るなんて当たり前なことを、それでもかなしいとかうれしいみたいな感情に当てはめてみたかった、そしていつまでも子どもみたいに秘密を守っていたかった。 

YUNaさん@y0lhey


青い花なんて存在しなかった世界に戻れたら、つめたい床の感触を、忘れないうちにきみに話してしまいたかった。 

りこすけさん@rikopin_sugar


春は明るいから春と言うんでしょう、夜になるにつれて重くなるからだを持ちたくない、それは僕にしか願えないことだった。 

小川希さん@Nozomusical0722


夢なんてみたことがない、それだけを誇りにしてきたあなたの、ただの持ち物になるなんてまっぴらだって、叫んだ、水槽の中の魚の夢。 

林 真悠美さん@Mayumi0331_H


化粧で隠された顔のすべてがこわかった、味方みたいな顔をして、どうしてへいきでいられるの、飽き飽きするような夜の風の匂いにあてられて、逃げることもできなかった。 

___i_am_mai___さん@hedgehog0076

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神崎琴音