癒してあげる、
とわたしが言う、
そのとき損なわれるわたしの部分を、
あなたはいとおしいその名でよぶ、
さびしいと言えてしまうほど愚鈍で平凡な、
あなたを見ていられないの、
どうしてかみさまはわたしに、
愛することのできる身体を与えたの。
しんでいいよ、とだれもゆるしてくれない。
きれいだね、かわいいね、
きみのこころはうつくしいね、
花が咲いたら見違えるようでしょう、
美しい言葉に耐えられぬ世界は醜いですか、
こちらでは夜空に可憐な星が散っています、
すべての形容詞を拒絶するあなたに。
神崎琴音
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